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ZENMONDO主催TICAD公式サイドイベントレポート

第7回アフリカ開発会議TICAD7公式サイドイベントの一つとして、2019年8月28日(13:00-14:30) パシフィコ横浜Annexにて、ZENMONDO主催イベント『実践型・海外人材を育成する為に今、企業が実践するべき事とは!?』が開催されました。

ファシリテーターとして、ZENMONDO代表の伊藤(荒井)三奈の他、Asia Africa Investments and Consulting (AAIC Japan)代表取締役・代表パートナーの椿進氏をお迎えし、実際にアフリカに進出しておられるゲストスピーカーの方々に、生々しい苦労話や成功体験など様々なお話を伺いました。

 

 

開会にあたり、代表の伊藤よりZENMONDOの設立に至った想いや活動内容等をご紹介し、中東アフリカに進出しようとする企業の皆さまを全力で支援したい、というご挨拶をさせていただきました。

続いて、共同ファシリテーターの椿様より、アフリカで実施しているビジネスの紹介と共に、実際に投資をされているヘルスケア等アフリカのビジネス案件のご紹介もありました。

 

ゲストスピーカーのお一人目は、ロート製薬株式会社の阿子島文子様で、青年海外協力隊員としてケニアで2年間活動された後、現職にて東アフリカ管轄子会社の設立に至った経緯や人材活用と育成に関してのポイントなどが紹介されました。本質的に大事なのは違いを受け入れ、その違いも含め考えることができることだと語る阿子島さんの「良い人材とは学業の優秀さだけでは測れない」という言葉が印象的でした。

 

次に、ガーナでパン屋をしているTOPISH Bakery石本満生様にお話を伺いました。卒業旅行で訪れたのがきっかけで、今は現地スタッフと寝食を共にし、パン屋を経営しておられます。売掛金でパンの販売をしてもらっているものの、現金回収が難しいという現状の課題や、だまされたこともたくさんありますよ、と明るく語る石本さん。採用に関しては、現地スタッフに任せており、寝食をすることになるので、現地スタッフも慎重に選んでくれているそうです。4年経ち現地スタッフの中にも愛社精神が芽生え始め、現在は任せられるようにまでなっています。確かな信頼関係を築かれているのを感じました。グローバル人材にはやりたいことがあり、諦めない人が向く。本社には現地にある程度決断権を与えるなど配慮が必要、という見解も述べられました。

 

三番目のゲストは、日之出産業株式会社の藤田香様です。TICAD5開催時にアフリカに多くの可能性を感じ、アフリカに興味を持たれたとのこと。そのまますぐにABE Initiativeのインターンシップ制度に登録をし、今までに39名のABE生インターンを受入れておられます。今年受入れをした3名のインターンが作成したというビデオが紹介されましたが、インターン生が皆生き生きとしており、とても有意義な経験を日之出産業でされたことが伝わってきました。開発だけではなく、そこに伴う環境汚染に関しても考えていかなければいけないと語る藤田さんのメッセージに会場の皆様もうなずいておられました。15名程度の少ない人数で、延べ39名ものインターンを受け入れてきた実績は素晴らしいと思います。インターンだけではなく、採用にもつながっているのも素晴らしいところです。アフリカの人を採用したことで、日本人が学ぶべき仕事への態度を見せてくれることもあり、とても良い刺激になっているそうです。素晴らしいパートナーシップを生み出してくださっているのだと感じました。

 

最後は、ルワンダ・ナッツ・カンパニーの笠井優雅様で、アフリカに関わるきっかけとなった奥様との出会いから、2012年に設立したルワンダ・ナッツ・カンパニーの苗床作成から農家の方々との関りも含めたシステムの説明をしていただきました。現在は400名が関わっており、日系企業では最大規模のようです。多くの従業員を抱えるには、製造面でのシステム化の他、現地のマネジメントのため、階層別にタイトルを付与したり、業績評価システムを取り入れたりするなど組織体制の整備にも力を入れておられます。採用に関しては、小学校卒から大学卒まで幅広い人材を雇用されています。一番難しいのは「解雇」だと語る笠井さん。それに備えるための人事評価システム構築を導入し、評価基準を徹底することの他、気持ちよく辞めてもらうための工夫をし、ハード面・ソフト面の両方に力を入れておられるそうです。普段なかなか伺う機会がないお話で、とても勉強になりました。

 

良い人材を採用するためのポイントという質問には、信頼している人からの紹介や、青年海外協力隊からの推薦などが挙げられました。日本人より目的意識がしっかりしている、というご意見もありました。

人材育成のポイントという質問には、許容できない常識の違いはその理由を伝え理解してもらうようにしている。ルールはルールと決め、守れる人が一緒に働く人と割り切る、というご意見や、自分たちの利益や売り上げに結び付くと理解すると、積極的に学んでくれる、英語が話せなかったスタッフも会話ができるようになったり、エクセルが使えるようになったり、というポジティブな事例も紹介されました。また、マネジメント層には他の方々から出た誠実さという点に加え、能力も必要なので、そういう観点から適性を見分けるようにしている、というご意見もありました。

 

日本人に必要なことは何か、という質問には、現地から学ぶ視点を持つこと、まず行ってみる、という行動力や、ビジネスパートナーとわかり合えるまで説明し合う姿勢の大事さが語られました。

会場からは、解雇にあたって裁判になるようなことがあるのか、ASEANとアフリカの特徴的な違いは何か、等の質問が出ました。国によって異なるものの、解雇に伴う裁判はよくあることなので慎重に準備をしておく必要があるという一致した見解が出されました。また、日本は歴史的なしがらみがなく、日本と組みたいというアフリカの国が多いことが紹介され、特に英語圏のアフリカの国々は、中国やインドよりやりやすい、という意見も出ていました。

現地の生きた情報がいかに必要かを改めて認識すると共に、苦労話を笑顔で語られるゲストの皆さんにポジティブなエネルギーをいただく機会ともなりました。

皆さまにエネルギーを与えられる存在となるべく、ZENMONDOは今後も精進して参ります。