2019年5月22日に5回目となるZENMONDO Talksが開催されました。
今回は、アフリカのスタートアップへの投資や日常的な企業モニタリングをされているロンドンThe Baobab Networkから共同創立者のお二人と同社の顧問でもあり、ご自身もアフリカビジネスに投資をしておられるBaryon Partnersの代表をお招きし、いつもとは少し趣向を変えSpecial Editionとしてお送りしました。
初めに、ZENMONDO代表の伊藤(荒井)三奈よりZENMONDOのミッション(現地のリアルな情報を伝える・世界をリードする日本企業のバリューを現地に届ける・海外人材の育成)や、今回のZENMONDO Talksのねらいをお話させていただきました。
続いて、Baryon Partners代表取締役CEOの姫野さん(元世銀職員。多国籍投資機関の東京代表を務めた後、Baryon Partnersを設立)にお話を伺いました。
アフリカから投資の流れをつくりたい
世銀時代にタンザニアのザンジバル島を訪問されたのがきっかけで、今はそこにVillaを建てて暮らすのが夢だという姫野さん。
まずは、アフリカを好きになってもらい、そこから投資という流れを作りたいと考えておられます。
アフリカはアジアや他の市場と違い、巨額な投資額が必要なく、個人でも始めやすいのが特徴。
アフリカは日本人がイメージするよりずっと進んでおり、たくさんの可能性があると、アフリカの魅力を語ってくださいました。
もっとも価値のある資源は情報(データ)
次に、The Baobab Networkの共同創立者である、Tomさん、Tobyさんにお話を伺いました。
ケニアで育ったトムさん、スワジランドや南アで暮らした経験のあるトビーさんは大学卒業後に勤めた会社を潔くやめ、熱い情熱をアフリカに懸けるため一緒に会社を設立したと言います。
技術やデータのプラットフォームであるThe Baobab Networkの取組について説明されました。
グローバル企業が多くの資金を費やしているのは、データ分析だと言います。
そこで、ナイロビとロンドンのチームがアフリカの急成長している技術に焦点を当て徹底的にデータを解析し、データベースを構築することで、収益化も図っていると言います。
最も価値のある資源はもはや石油ではなく、情報(データ)であると語るお二人。
世界の12.5%もの人口がアフリカに集まっているにも関わらず、その調査件数は1%程度に過ぎないのだとか。
まだまだアフリカの可能性が知られていない所以のひとつだと感じました。
フィンテック、教育、食料などのバリューチェーンについて、分析結果を基に紹介され、地域によってアフリカでも差があることやたくさんの可能性があることがわかりました。
国が違うとやり方も考え方も違うため、初期段階ではナイロビやロンドンのチームを派遣し、1週間ほど密着するそうです。そこで信頼関係や人間関係が築けると言います。
やはり、ビジネスの成功の秘訣は人間関係にあるのだと感じました。
押し付けにならないお互いが歩み寄る姿勢が大事なのかもしれません。
丁寧な分析を実施することで、日本企業に可能性を
アフリカには若年層が多く、2040には世界の若者の半分はアフリカに住んでいることになると言います。
高等教育を受ける人口も増えており、目覚ましい成長を遂げている市場も誕生しているようです。
マイクロソフト、UBER等、大手の投資額が増えている現状の他、注目のスタートアップもいくつか紹介されました。
丁寧な分析を絶えず実施することでリスク回避にもつながります。
こういった情報をうまく利用することで日本企業にも多くの可能性があると感じる夜でした。
その後の質疑応答やネットワーキングでも活発に意見交換がされ、有意義な時間を過ごすことができました。
TICADに向け、また来日を考えているというBaobabのお二人。
ZENMONDOでもぜひまた取り上げたいと思います。