2019年4月24日(水)に「ZENMONDO -Talks4-変わりゆくアフリカの軌跡とその影響力とは!?途上国支援の立役者が見据える、アフリカと世界の未来₋対談ディスカッション」が開催されました。
国連機関に長年関わって来られ、現在はAU-NEPAD総裁特別顧問をはじめ多方面でご活躍されている池亀美枝子さんをお迎えし、ZENMONDO代表の伊藤(荒井)三奈との対談が繰り広げられました。
国連で仕事をすることは小さい頃からの夢だったと語られた池亀さん。33年間と言う長い期間を国際機関でご活躍され、その夢を達成されています。
ご自身を回遊魚に例えられ、回遊魚は動き回っていないと死んでしまうから、と国際機関をご退官された後も民間企業のコンサルティングやアドバイザー、教育機関での講義など多方面でご活躍され、海外と日本とを行ったり来たりされています。
7回目のTICAD開催を目前に、1993年の第1回TICAD開催にあたり、国連を共催者とするためのまとめ役として活躍された経緯や知られざる一面も伺いました。
アフリカと日本の関係とは
当時、アフリカに遠い国であった日本がアフリカに関わることに対して、西欧諸国は快く思っていなかったのではないかと思うような場面もあったようです。
東京宣言をボイコットするような流れもあり、宣言採択に向け調整に奔走された際のお話などは臨場感に溢れ、参加された方々も聞き入っておられました。
国際情勢、アフリカのIT改革、アジアの目覚ましい発展、TICAD共催組織の変化、様々な状況が変化し、アフリカとの関わり方も今までのODA支援という形からパートナーシップへと変わりつつあることを実感されていると言います。
その中で、池亀さんは日本が持っている強みとして、アフリカからの「厚い信頼関係」を挙げられました。
アフリカの方々から日本がそんな見方をされているとは驚きでした。
アフリカの情報が日本に入ってこない原因とは?
一方で、日本にはアフリカの情報が入って来ていないと感じてもおられ、これには一同納得。
JETROの統計ではアフリカに進出している日本企業は増えているので、一度足を踏み入れてしまえば運営できているのに、情報不足ということもあり、一歩を踏み出せない日本企業が多いと感じていると語られました。
(南アフリカを例として)南アでは、人口の30%は中流階級になっているそうですが、50%に及ぶ非公式セクターはGDPの数値に影響しないので、もっと貧しい印象を持たれているのが現状のようです。
若い人口が多く、資源や食料が豊かなアフリカ。
正しい情報を取り入れ、関わり方を考えれば日本企業にはまだまだ多くの可能性があると池亀さんは語ります。
アフリカの新たな可能性を感じる
日本には実際のアフリカの生活が伝わっていない部分が多いことを改めて実感すると共に新たな可能性を感じる時間ともなりました。
アフリカの資源を活かすだけではなく、アフリカのマーケットを活かして日本企業に参入してほしい。
池亀さんのアフリカへの熱い思いと故郷である日本にも貢献したいという想いが伝わってきました。
歴史や時代背景について説明しながらお話くださったので、とても分かりやすく、多くの学びがある有意義な会となり、ご参加くださった方々からもご好評でした。